ドイツ人の定義

 

今日のテーマは、少し真面目•••「ドイツ人とは何か?」である。

 

 

ドイツ人の定義

ドイツ人の定義はなんだろうか。

 

   ドイツ語が喋れること?

   ゲルマン民族

   ドイツに住んでいること?

 

ドイツなのでルールは法律に書いてある!ということで、ドイツ国籍法第1条に「ドイツ国籍を持つ者」と規定されている。ドイツ国籍を取るには、基本的にはある程度のドイツ語能力や滞在年数等によって色々な条件がある。法律上は、ドイツ国籍を取得できれば、ドイツ人と言えるかな。

 

でも、実際の問題は結構根深い。

ドイツ国籍を持っていても、ドイツ語があまりできないドイツ人もいる。結構多いのが移民してきて、ずっと移民コミュニティーの中だけで生活が完結しているケースだ。そういう場合、貧困につながるケースも多い。なぜなら、ドイツに暮らしているのにドイツ語が話せないから、就ける仕事が限られてくるからだ。そして、貧困生活ゆえ不満が溜まったり、言葉のバリアーで疎外感が生まれたりすることで、ドイツという国自体を嫌いになってしまうという話はかの国ではよく耳にする。

 

そう考えると、本当に国籍だけでドイツ人って言えるのだろうか?

•••という疑問も湧いてくるかもしれないけれど、色々な国を受け入れている国がドイツという国の現在の在り方なのかもしれない。第二次世界大戦後、ナチス時代の反省からドイツは移民に対して寛容な姿勢を貫いてきた。

 

難民についても、受け入れを続けてきた。

日本でもドイツの難民受け入れについて2015~2016年頃に一時期話題になったが、国連UNHCRの難民受入勧告とドイツの将来的な労働力不足を見据えた労働政策を受けたドイツの難民の受入については参考にするべきであったと思うのだが、批判が先行していたように思う。でもね、ドイツだけではなくて、世界各国は日本より多くの難民を受け入れている。ちなみに、2015年頃に一番多くの難民を受け入れたのは、ドイツではなくトルコだ。

 

トルコは近年ずっと合計受入数は1位で2015年時点で約250万人、2017年時点で約350万人を受け入れている。ちなみに、ドイツはメルケル首相が100万人の受け入れを宣言してから、実際に2015年には新たに約45万人、2016年には70万人超の移民を受け入れたので、合計で100万人を超える移民を受け入れた。

 

これに関しては、以下のドイツの各年の難民受入人数が書いてある表を見てもらうと分かるとおり急に受入数が増えたのでドイツな内でも批判の声が上がった。でも、この表をよく見てほしい。シリアの難民問題が発生する以前もドイツは数万人規模の難民を毎年受け入れていた。これは、他のヨーロッパの国々も人数の差はあれど、かなりの数を受け入れてきた。


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そう、それでこの難民問題を見ると日本って難民受け入れしなさすぎじゃない?!って思ってしまう。平成30年つまり2018年の難民申請数は日本でも13,000件を少し超えていたのだが、実際に認定されたのは20%以下で 2,000名ちょっとだ。ドイツやトルコと比べると寂しい数字だ。

状況が違うし、お金がない??ドイツは世界第4位の経済大国といわれているけれど、その上にいる国は皆さん知っているんじゃないだろうか??これは、国際的な舞台での大国として日本が今後果たしていくべき重要な役割だと思う。色々な犠牲の上に、私たちの生活が成り立っているのだから、何かの形で私たちも世界に返していくことが必要なんじゃないかと思う。

人口規模でも、日本のほうがドイツより大きい。さらに、労働力の減少については、日本のほうが悲観的な見通しがたっている状況だ。日本も移民政策には目を向け始めたようだが、難民政策についても考えてみていいんじゃないだろうか。

 

ドイツの移民や難民政策が必ずしもうまくいっているわけではないけれど、多くの人を長年受け入れてきたことから、受け入れ体制はある程度整いつつある。そして、ドイツ人としてドイツという国で暮らす人々が実際にいる。

 

移民でドイツにやってきた外国人がドイツ国籍を取得できる条件はいくつかある。簡単な例を挙げると、移民の子であれば、両親または片親が8年以上ドイツに合法滞在している場合、ドイツで産まれた子どもは出生によりドイツ国籍を取得できる。ちなみに、移民の子が21才までに8年間をドイツに居住したか6年間ドイツで学校に通った場合には、ドイツ側は二重国籍を認めるということになっている。移民として、ドイツへやってきて定住した人々も沢山いる。それは、ドイツ人口に対する外国人比率が10%を超えていることからも、今後も増えていくことが予想できる。

 

ちなみに、私はドイツ国籍を取得できなかった。笑

というよりも、取得しようと思えばできたが、日本かドイツの国籍を選ばないといけなかった。だから、ドイツ国籍を選ぶと日本国籍を捨てなければならないので日本国籍を選んだ。これは、日本の法律だとの二重国籍が認められていないからだ。(一応、努力義務なので完全に禁止されているわけではない。)ドイツ側でも、日本とドイツの二重国籍は先述した条件等を満たさない限りは基本的には認められていないので、いずれにせよ2つの国籍は持てないのだが、日本のルールよりは条件を満たせば融通がきく。。。日本も二重国籍認めてくれないかな、、、

 

•••という話をチェコの友人としたときに、チェコは3つまで国籍を持てると笑いながら教えてくれた。例えば、両親の国籍と住んでいる国の国籍が全て異なるケースだと三重国籍になるらしい。うらやましい!!!

 

そういう意味で、法律上は定義はされていても国籍って本当に何なんだろうと思う。結局のところ、ドイツ人かどうかはドイツ国籍を持っているかで判断せざるを負えないのが現状なんでしょうね。

 

 

参政権

ここからは、余談。

じゃーまんさんは、今のところドイツ国籍のままなので、日本に沢山の税金を納めたり、町内会の活動に参加したりしているが、外国人だから参政権すらまだない。でも、彼はこの国で今後も暮らしていく予定だが、今の制度のままだ10年たっても20年たっても選挙に参加できない。地方選挙も国政選挙も参加できない。これってすごく理不尽じゃない?やはり、日本国籍を持たないと参政権は認められない??いやいや、私はドイツいたときに、ある程度の条件を満たしていたので地方選挙の投票権くらいはあったよ。

 

日本に長期で暮らしているのに、投票できない外国人たち•••日本の未来に政治的に関与することは許されないものなのだろうか?

日本で30年以上暮らしているアメリカ人の友人も投票できないよ~すごく日本の政治に興味があるのに残念だよ~と流暢な日本語で言っていた。そりゃ、そうだよね。

 

議論が尽きないテーマなので、別の機会に「日本人とは何か?」、「日本国籍とは?」についても考えてみたいと思う。今日のテーマは考えすぎて、答えがでなかったので、とりあえず今日は寝て、改めて考えることにしよう...zZzZzzZ